015: さよなら昭和湯!!涙の30秒-2
---前回からの続き
大好きな三茶「昭和湯」のお話です。
昭和湯の番台に座るおばちゃんは、他の常連らしきお客さんたちとも、そんなに親しげに話しこんだりは しない。 みんな、一日働いて、疲れた体をいやしにきているのだ。 みんな裸になって、 ゆっくり熱いお湯に使って、手足をのばして、 あがったら軽くテレビを見て、体をふいて帰るのだ。 おばちゃんは誰にたいしても同じように、「はい、どうも」といって 入湯料を受け取り、 「はい、おやすみなさい」といって見送っていた。
私たちが三茶が好きな理由の、かなりのパーセンテージをしめる昭和湯に入れるのは、もしかしたら今日が 最後かもしれない。
親友と私は、カードと花束を買って、メッセージを書いて、親友が とった昭和湯の写真を プリントアウトして、カードにはっつけて、 もう行く前から泣きそうになって、無口に昭和湯に行った。 おばちゃんはいつもどおりだったので、私たちもぐっとこらえて 普通にふるまい、 たっぷり3つの湯船につかり、高い天井をながめ、 充分暖まってあがった。 コーヒー牛乳もちゃんと飲んだ。 おばちゃんと一緒に、テレビをながめ、少し笑った。
その間、ずっと寂しかったけれど、きっと廃業はおばちゃんが 決めたことなのだ・・・と信じた。
そして帰り際に「これ・・・」とカードと花束を差し出した瞬間、 おばちゃんも、親友も私も、 声が涙になってしまった。 「そんな、、お客さんにこんなのいただくなんて悪いわ」と言う そのおばちゃんの声が、すでに泣き声で、親友も私も 「・・・まだ31日にきますから」 「あの写真もとったんで・・・」と もごもご言って、ぶわっと涙目で出てきてしまった。
新しい場所には、今の場所を離れないと行けない。 とは、マネックス証券の松本大CEOの言葉だったと思うが、 70年以上そこにあった昭和湯が向かう新しい場所はどこだろう?
70余年のうちの最後のほんの数年間でしたが、ありがとうございました。 そして、おばちゃん、お疲れ様でした。
昭和湯の皆さんに幸多かれ!!

